金属の酸化と錆(サビ)の美的評価
銅、四分一、赤銅などの銅合金は変色、腐食してしまいます。
しかし変色、腐食自体が美術的価値を引き出すとなれば話は別です。
銅、四分一、赤銅などの銅合金は酸化させることにより、色を発色します。
銅は元々、桃色(新しい十円玉の色)ですが時間が経つにつれ酸化し
茶色く変色してきます。茶色からさらに腐食していくと緑青が出てきます。
煮色仕上げでは銅を人口的に茶色く酸化させ、発色させる技法です。
同じように煮色仕上げすることにより、四分一はねずみ色に、
赤銅は青み掛かった黒に発色します。
銅合金の金属は湿気の多い所などにおいておくと腐食が進み緑青(サビのようなもの)が
出てきます。
普通サビというと鉄のサビのような茶色く、ボロボロと剥がれ、
最後には鉄そのものまでボロボロにしてしまう物を思い浮かべます。
銅も緑青というサビが出てきますが、鉄のようにボロボロになってしまうことは
ありません。
緑青は緑色をした物です。
銅や銅合金は酸化し表面が腐食してくると、緑青がでてきます。緑青はサビですが
そのサビが進むにつれ表面を覆いそれ以上腐食しなくなります。
工芸作品では最後に緑青で表面を覆って仕上げる場合があります。
これはとても美しい緑色(または青色)で仕上がります。
|